なぜPNWJなのか?

平和への意識を高める。

暗い日々と問題をかかえた時代

世界の国々に暮らす私たちは、いまだ問題をかかえた時代の中を生きています。近年では、地球上にわたる未解決の紛争は雪だるま式に大きくなり、それらの紛争の中には完全に戦争に転化してしまうものもあります。中東全域、アフリカの地域全体、南アジアや朝鮮半島において、こうした問題の多くは、好転するというより、むしろ悪化しています。米国、日本、オーストラリア、そして、EU諸国のような‘先進’国はしばしばこれらの紛争に深くかかわっています---紛争を引き起こしてきたか、紛争を解決しようとしているか、または紛争の結果に苦しんでいるか、というように。

戦争機構(国々が持つ軍事力、資源、世界にまたがる軍事産業、流通、それらを支える体制)は巨大化し、小型兵器の数はいまだかつてないほどの勢いで増えていき、世界の富める人々と貧しい人々の格差は、誰の目にも明らかなほど大きく開き、そして人間が引き起こした気候変動がもたらす脅威は日に日に増大しているように見えます。

多くの視点から見て、明日への展望は暗いと感じられます。もし私たちが集結して、この瀬戸際から向きを変え、前へ進もうとするなら、今一番大切なことは、これらの問題に対する新しく創造的な解決策を見出すことです。

希望の種

けれども、夜明けの来ない夜はないのです。幸いなことに、よりよい未来のための希望の種が地球上のあちこちに蒔かれていて、このような暗い日々に立ち向かう多くの声が上がっています---問題の解決策、問題意識のメッセージ、そして平和への呼びかけと共に。

それらの種のうちの一粒が2001年に英国で芽生えはじめました。この芽は ピース・ノット・ウォー (PNW)-戦争でなく平和を-として知られ、これらの多くの声から歌を集め、CDにしてリリースをするという事を始めました。このCDは世界の現況についての意識を高めることと、国際平和運動の中で活動するグループに資金を提供する事を目的として利用されました。また、21世紀のプロテストミュージック(社会問題に対し、抗議したり、問題を投げかけたりする意識的な音楽)」を再定義する役目を果してきました。

2004年に、PNWは私に日本でこのCDを広めるサポートをしてほしいと依頼をしてきました。私がこのアイディアを携えて東京をまわると、ここ東京でも、同様なプロジェクトを求める声があるということがはっきりしました。そこで、ピース・ノット・ウォー・ジャパン (PNWJ) -戦争でなく平和を・ジャパン-が誕生したのです---戦争に反対し、平和を呼びかける日本からの声を求めて。

日本と紛争

戦後、日本は平和で、非常に裕福な国であり続けました。世界一技術力の進んだ国であると思われることも多く、事実、世界上位5カ国に入る産業の発展した経済国です。しかし、日本が歴史を通してずっとこのような国であったわけではなく、この国の大規模な好転は、第二次世界大戦後のたった数十年の間に起こりました。

二十世紀初頭、日本も当時のヨーロッパ諸国と同じように植民地を支配する大国になろうと力を入れていました。大日本帝国主義の名の下に多くの酷い行為がアジア全域で行われました。一方で、日本も1940年代の世界規模での紛争の中で大変苦しみました。

第二次世界大戦の終わる年、東京は当時の歴史上最大の空襲をうけ、この空襲によって東京の大部分が破壊され、推定10万人の人々がその爆撃により亡くなりました。同じ年の4月、沖縄決戦で亡くなったのは約26万人で、そのうちのほぼ半数は沖縄に住む一般市民でした。そして、1945年8月6日、一つ目の原子爆弾が広島に投下され、その3日後には二つ目の原子爆弾が長崎に投下されました。この二つの爆弾による死者数は推定で約21万人に上ります。

この核兵器という魔物は、この時自由の身になり、いまだに手に負えない状態です。なぜなら、核兵器とそれを支える体制を開発し成長させてきた国の数が増え続けてきているからです。

日本における平和

日本には一つ長期的な平和運動があります。戦後の 日本国憲法 には、戦争の放棄と、国際紛争の解決策としての武力行使を放棄することが正式に記されました。広島と長崎に落とされた原爆により、核兵器に反対をするグループがたくさん出現しました。これら核兵器を反対する運動の盛り上がりが、世界中の反核運動にも影響を与えていったのです。ベトナム戦争時代には、学生運動や市民抵抗などの新しい草の根運動の第一歩が発足しました。

ピースボート は、政府の歴史教科書への検閲に対して怒りの声を上げた学生達のグループによって1983年に作られ、現在では東アジアで最も大きいNGOの一つになりました。彼らは旅客船を使い地球を回り、平和、人権、持続可能な発展、環境保護などを推進しています。最近では新しい世代も自分たちの声を聞いてもらおうと活動するようになってきました。彼らは、2003年のイラクへの侵攻に反対し、携帯のメールや、インターネットを利用して、大規模な抗議運動を展開しました。

なぜPNWJなのか?

PNWJの目的は、平和と世界中の戦争や紛争への意識を日本国内で高め、そして世界をより良いものしていこうと働いている人々の助けになることです。PNWJは今日のグローバルな平和運動へ、日本のミュージシャンによるサウンドトラックを提供しています。また、日本のミュージシャンが平和、戦争反対を訴える国際的なアーティスト達のコミュニティーの一員になる事を可能にし、さらに、世界のアーティスト達が、日本での彼ら・彼女らの平和に対するメッセージを広める窓口を開いています。

2006年、PNWJは今日の地球規模で起きている問題に対し、創造的な形で解答を投げ返している日本のアーティスト達による、初のオムニバスCDを Dynastic Recordsよりリリースしました。アルバムに収められた音楽は国中から集まり、ジャンルもロックからフォーク、ダブからブレイクビートやピップホップまでと、幅広いものとなりました。このアルバムは一般のリスナーやミュージシャン、そして平和活動グループから同様に好評を得ました。

2007年、PNWJはライブイベントを開催し、日本国内での平和グループのネットワークを構築していこうと考えています。また、人々の意識を高めようとしていたり、人種間の理解を築こうとしていたり、非暴力の手段をもちいて紛争を終わらせようとしているさまざまな組織へ寄付をすることを目指しています。

私達は新しいボランティアを常に募集しています。問題意識を持ったミュージシャン、私達と活動を共にしたい平和活動グループ、または私達グループの一員となりたい方などがいましたら、‘Help’ページをご覧になり詳しい情報を得ていただくか、info[at]pnwj.orgまで直接ご連絡下さい。

ドム・ペイツ (ファウンディング・ディレクター) 2007年、東京

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